◆平成25年 4月 7日(日)

  花まつり法話 

  お釈迦様は、遙か昔のインドのルンビニー園という花園にてご誕生なされました。
  〈本来は4月8日〉
  
  それで、ご降誕(誕生日)のことを「花まつり」ともいいます。  


                 
      
                            〈身延山垂れ桜〉


              ★法要終了後に弟子の笠井恒明による法話がなされました。

 
 
 

それではお題目を唱え法話を始めさせて頂きます。南無妙法蓮華経

こんにちは。本日は妙蓮寺花まつり法要ということで、ご参列頂き誠に有難うございました。ご存知の方も多いかとは思いますが花まつりというのはお釈迦様の誕生日をお祝いする日です。短い話の予定です暫くお付き合い御願いします。


                 


本日は花まつりと言うことなのでお釈迦様に関する話をしたいと思います。お釈迦様はおよそ2500年前にインドにお生まれになった方で、仏教の開祖であります。その仏教の中で色々の教えがありそれぞれに宗派があり、このお寺はその中の日蓮宗という宗派に属します。

仏教の基本的な教え、考え方として代表的なものに「平等」と「縁起の法」というのがあります。去年は「平等」のことをお話ししました。ですので今回は「縁起の法」についてのお話をしたいと思います。




           


「縁起の法」とは簡単に言えば「この世に起こる全てのことには原因がある」ということです。世の中の全てのことが因果関係によって成り立っている、聞けば当然でしょと思うことですが、当たり前なこと程普段から意識をして大切にしなければいけません。例えを出してお話ししたいと思います。ここにマッチがあります。このマッチを擦ったらどうなりますか?そうですね火が着きます。これはマッチを擦るという原因があって、火が着くという結果になりました。しかしここで終わってしまったら法話ではないですし、何より来年からきっと誰も私の話を聞いてくれなくなってしまいます。それではお経本をお持ちの方は方便品の終わりを開いてみて下さい。十如是と呼ばれる三回繰り返す箇所です。簡単に言いますとここではこの世の成り立ちを表しています。十如是はまた別の機会にお話しできたらと思っています。

どうでしょうか、そこに「因」という字と「果」という字が見つかると思います。見つかった方は気がつくことがあるのではないでしょうか。因と果の間にもう一つ文字がありませんか?

そうですね「縁」と書かれているかと思います。見つかりましたか?


                    

原因と結果の間にある「縁」、言葉はご存知かと思います。今回はご縁がなかったですね、とかお守りなんかにある良縁成就とか、そういった時に使う「縁」です。ではなぜ因と果の間にあるのでしょう。再びマッチの例で説明したいと思います。マッチを擦るという原因があって火が着くという結果になると言いました。本当にそうでしょうか?では聞きますが、この本堂が巨大な水槽だとして水でいっぱいなっています。その中でマッチを擦ったらどうでしょう?つかないですよね。ではマッチが湿気ていたらどうでしょう、つかないですよね。これが縁なのです。マッチを擦るという原因があっても、空気、酸素という縁が無ければ、火が着くという結果に結びつかないのです。

「縁」は「環境」や「条件」といった言葉で言い換えられたりもします。同じ原因からでも縁が変わると結果は変わってしまうのです。今はマッチというごく小さなことを例に出しました。これが人生ともなるとちょっとした縁の違いで結果が良くも悪くも大きく変わります。だから縁を大事にしましょう、良い縁に巡り合えるように正しい行いをしましょう、と言うのです。

正しい行いに関してはまたの機会にお話しできればと思っていますが、まずは仏教の基本概念の「縁起の法」の話をさせて頂きました。同じ原因からでも縁によって結果が変わってしまう。だから良い縁を呼び込む為に正しい行いをしなければならない。お釈迦様に見られて恥ずかしくない行動をとるということが良縁と巡り会う方法なのです。これを持ちまして話を終わらせて頂きます。

御題目を唱え、話を閉じさせて頂きます。ご唱和お願いします。南無妙法蓮華経

ご拝読ありがとうございました。



       

       〈法要、そしてお説教も無事終わり一段落、

                 駆けつけた友人とリラックス・・・〉